虎しか見たことがないv.s猫しか見たことがない

ギャラリーの入り口に展示の作品は、「虎しか見たことがない人が猫を描いたら」というテーマです。

花鳥風月でおなじみの雪舟や奇想の画家・曾我蕭白の作品には、圧倒的な表現力を誇る絵師であるにのにも関わらず、疑問に感じる作品があり、画伯曰く、「猫しか見たことがない人が描いた虎」ではないかと推測。これにインスピレーション得て、「虎しか見たことがない人が猫を描いたら」といった作品が出来上がりました。このような視点をもって鑑賞すると、見え方が違って来ますね。

浅野博一個展「にくきゅう」は本日最終日です。
お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

雪舟の「虎」

曾我蕭白の「虎」

妙にしなやかでやわらかな印象です。同じネコ科の動物とはいえ、大型のトラはゴツく迫力のある雰囲気があるはずですが…

下記は 、雪舟と曾我蕭白の他の動物を描いた作品です。これだけのリアルな表現ができる絵師なのです。トラの生息分布図を見ても雪舟 (1420年-1502)と曾我蕭白(1730-1781)の時代 に、リアルなトラを見る機会は恐らくなかったことと推測されます。


<トラの生息分布図>
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