作品のタイトルについて

画伯曰く、元々水墨画には題名はないと信じていたそうです。絵に題名をつけてしまうとイメージが限定されてしまい、受け手側(鑑賞する人)の心象風景を引き出せなくなる可能性があります。

例えば今回出展のこの絵に夕日や朝日、地名などが入るとイメージがどんどん狭まって行き、「ハワイ」という名がつけば、ハワイに行ったことのある人ならば、ハワイのどこだろうとか、ハワイに行ったことのない人ならば、「ふーん、ハワイなんだ」で終わってしまいます。

このため、題名をつけないことで、鑑賞する人を心の中から癒やすことができるとのこと。昨年出展の柿の絵では、突然泣き出された方がいらっしゃいました。少年時代を追憶されたのでしょうか。

< 柿 >

しかしながら、公募展では題名が必要となります。
そこで、鑑賞する人の想像力に委ねることを望む場合には「無題」とするようです。

反面この題名に助けられることもあり、今回出展の「達磨さんの座布団」などはその例でした。もっと表現力が上がれば問題ないのですが、まだまだこれからの課題なのだそうです。

< 達磨さんの座布団 >

今回、ご来場の皆様に題名をつけていただくという企画を致しましたが、それぞれに視点が異なり、様々な題名で楽しませて頂きました。ご参加ありがとうございました。